最終更新日:2026年9月27日
ゆうちょ銀行の委任状は、公式サイトの「委任状について」のページからPDFでダウンロードでき、「各種手続き全般用」「送金用」「相続手続用」の3種類があります。書くのは手続きを頼む名義人本人で、代理人の住所・名前の欄も含めてすべての欄を名義人が自筆で書き、印を押す決まりです。代理人は、その委任状と自分の本人確認書類・印鑑を持って、ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口へ行きます。
気をつけたいのは、家族が名義人の代わりに委任状を書く「代筆」は認められていないことです。代理人が窓口で手続きを頼むと、ゆうちょ銀行から名義人本人に電話で委任の内容を確認することがあり、確認できなければ受け付けてもらえません。また、50万円以上の払戻しを代理人が行う場合は原則として委任状が必要で、100万円を超える請求では名義人本人の本人確認書類も求められます。
名義人が認知症などで委任状を書けない場合は、成年後見人など代理権のある人が手続きするか、貯金窓口で相談することになります。名義人が亡くなっている場合は通常の委任状ではなく、相続手続用の委任状を代表相続人が書きます。数字と条件は、ゆうちょ銀行の公式サイト・よくあるご質問・委任状のPDFで2026年9月27日に確認したものです。
「入院中の親の代わりに郵便局でお金を下ろしたい」「委任状をどこで手に入れて、何を書けばいいのか分からない」と迷う方も多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、
- ゆうちょ銀行の委任状3種類のダウンロード先と、委任できる手続き・できない手続き
- 記載例に沿った委任状の書き方(委任する内容・お届け印・金額・記号番号)
- 代理人が窓口に持っていくもの(50万円・100万円で変わる条件と本人確認書類)
- 本人が委任状を書けないとき(代筆ができない理由・認知症・相続・代理人カード)
についてご紹介します。
・委任状はゆうちょ銀行公式サイト「委任状について」のPDFを印刷して使う。全般用・送金用・相続手続用の3種類と、それぞれの記載例がある
・名義人がすべての欄を自筆で書いて押印する。代理人の住所・名前の欄も名義人が書く。消えるボールペンは使えない
・家族の代筆は不可。窓口から名義人に電話で委任内容を確認することがあり、確認できないと手続きできない
・代理人の持ち物は委任状・代理人の本人確認書類・代理人の印鑑と、手続きに必要な通帳など。100万円を超える請求は名義人の本人確認書類も
・50万円以上の払戻しは原則委任状が必要。50万円未満でも求められることがある
・口座の新規開設とゆうちょ手続きアプリは代理不可。認知症などで書けない場合は成年後見制度か窓口で相談、亡くなった場合は相続用の委任状
ゆうちょ銀行の委任状は3種類|ダウンロード先と選び方
ゆうちょ銀行の委任状は、手続きの種類によって3つの様式に分かれています。手続き全般(払戻し・住所変更・再発行など)、送金、相続で様式が違うので、まず頼みたい手続きに合う委任状を選びます。どれも公式サイトの「委任状について」のページにPDFで掲載されていて、それぞれに記載例のPDFも用意されています(2026年9月27日確認)。
| 委任状の種類 | 使う手続き | 名義人が押す印 | 様式の改正日 |
|---|---|---|---|
| 委任状(日本語版・英語併記版) | 各種手続き全般(貯金の払戻し、住所・氏名・印章の変更、通帳・カードの再発行請求、暗証番号の照会・誤回数消去請求など) | お届け印(お届け印が関係しない手続きは任意の印) | 2024年10月1日 |
| 委任状(送金用)(日本語版・英語併記版) | 送金の手続き(通常払込み・電信払込み・電信振替・他行送金など) | お届け印(お届け印が関係しない手続きは任意の印) | 2024年10月1日 |
| 委任状(相続手続用)(日本語版のみ) | 相続の手続き(書類の提出、払戻金の受領、書類の受け取り、電話連絡など) | 実印(手続きを委任する代表相続人等の実印) | 2026年1月26日 |
英語併記版は、日本語と英語が併記された様式で、全般用と送金用だけにあります。相続手続用には英語併記版がありません。
委任状はどこでもらえる?公式サイトのPDFを印刷する
委任状は、ゆうちょ銀行の公式サイト「各種お申込み・お手続き > 委任状について」のページにある【委任状一覧】から、使う様式のPDFを開いて印刷します。公式サイトは「各種委任状は、下記のPDFファイルをご使用ください」と案内しているので、基本はこのPDFを印刷して名義人に書いてもらう流れです。自宅にプリンターがない場合は、コンビニのコピー機のプリントサービスなどでPDFを印刷する方法があります。
郵便局の貯金窓口に委任状の用紙が置いてあるかどうかは、公式サイトに明記がありません。窓口でもらうつもりの方は、事前に利用する郵便局かゆうちょコールセンター(0120-108-420・通話料無料)に確認しておくと確実です。
委任状で頼める手続き・頼めない手続き
ゆうちょ銀行の手続きの多くは代理人に頼めますが、委任状があっても代理ではできない手続きもあります。公式サイトと公式FAQの記載をまとめると次のとおりです。
| 区分 | 手続きの例 | 補足 |
|---|---|---|
| 委任できる | 貯金の払戻し(通常・定額・定期)、住所・氏名・印章の変更、通帳・カードの再発行請求、暗証番号の照会・誤回数消去請求、マイナンバーの提供、送金、相続の手続き | 委任状の様式に項目がある手続き。項目にない手続きは空欄に具体的に書く |
| 委任できない | 総合口座の新規開設、投資信託の口座開設や取引 | 投資信託でも住所・氏名・取扱局の変更、口座廃止、残高証明書の発行などは除く。口座開設は親権者・成年後見人などの法定代理人なら可能 |
| 代理不可 | ゆうちょ手続きアプリでの手続き | アプリは名義人本人の申し込みだけを受け付ける(子ども口座の開設と相続手続きの申し込みを除く)。代理人カードの暗証番号再登録・再発行も名義人本人の手続き |
口座の新規開設については、公式FAQが「法定代理人以外のご家族(配偶者を含む)や第三者の方は、ご本人様の証明書類や委任状をご持参いただいた場合でも、お申し込みいただくことはできません」と明記しています。配偶者でも代わりに口座を作ることはできないので注意してください。
ゆうちょの委任状の書き方|記載例に沿った7項目
委任状を書くうえでいちばん大切なのは、手続きを頼む名義人本人が、すべての欄を自筆で書いて印を押すことです。様式の最上部にも「委任状は、手続きを委任する方がすべての欄を自筆でご記入およびご捺印ください」と書かれています。代理人の住所と名前を書く「受任者(代理人)」の欄も、代理人ではなく名義人が書きます。
公式の記載例(各種手続き全般用)に沿って、書く欄を上から順に整理しました。
| 欄 | 書く内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| ① 日付 | 委任状を作成した日付 | 記載例は西暦で記入(2024年10月1日) |
| ② 委任者(名義人) | 名義人の郵便番号・住所(おところ)・氏名(おなまえ) | 名義人が自筆で書く |
| ③ お届け印 | 対象の貯金のお届け印を押す | お届け印が関係しない手続きは任意の印。お届け印が違うと手続きできない |
| ④ 受任者(代理人) | 代理人の郵便番号・住所・氏名 | この欄も名義人が自筆で書く。代理人の印を押す欄はない |
| ⑤ 委任する内容 | チェック欄にレ印、【 】の中の該当する語に○ | 項目にない手続きは空欄に具体的に書く |
| ⑥ 記号番号・証書番号 | 対象の通常貯金・定額定期貯金・振替貯金・為替証書の記号番号 | 通帳式の定額・定期貯金と担保貯金は証書番号も書く |
| ⑦(額面)金額 | 払戻しの場合に金額を書く | 通常貯金は払戻金額、定期性の貯金は払い戻す額面金額 |
様式の下部には記名国債に関する欄もありますが、国債の手続きを頼む場合だけ記入します。また、文字が消えるボールペンは使えません。油性のボールペンなどで書いてもらってください。記入内容に不備があると受け付けてもらえないことがあるので、書き終えたら記載例と見比べて確認しておくと安心です。
「委任する内容」は具体的に書く(良い例・悪い例)
委任状の「委任する内容」には、よく使う手続きがあらかじめ印刷されています。該当する行のチェック欄にレ印を付け、【通常・定額・定期】【住所・氏名・印章】のような括弧の中から該当するものに○を付けます。
印刷されていない手続きを頼みたいときは、下の空欄に書き込みます。このとき公式の記載例は、「キャッシュカードの再発行請求」のように手続きの中身まで具体的に書くよう求めていて、「キャッシュカードの手続」のようなあいまいな書き方は悪い例として示されています。
| 書き方 | 例 | 扱い |
|---|---|---|
| 良い例 | キャッシュカードの再発行請求 | そのまま受け付けの対象になる |
| 悪い例 | キャッシュカードの手続 | 何を頼むのかが特定できない |
| 悪い例 | 一切の手続 | 名義人に請求内容を確認することがあり、確認できなければ取り扱えない |
「何かあったときのために、とりあえず全部任せる」という書き方は、かえって手続きを止める原因になります。窓口に行く前に、頼みたい手続きを具体的に決めてから名義人に書いてもらいましょう。
印鑑はお届け印?任意の印でいい場合と実印が必要な場合
委任状の名義人欄には「お届け印」の枠があります。払戻しのようにお届け印が関係する手続きでは、対象の貯金のお届け印を押す必要があり、お届け印と違う印を押した委任状では手続きできません。一方、お届け印が関係しない手続きの場合は、名義人の任意の印でよいとされています。ただし、暗証番号の誤回数消去請求(ロックの解除)はお届け印が必要な手続きとして扱われます。
| ケース | 押す印 | 補足 |
|---|---|---|
| 払戻しなど、お届け印が関係する手続き | 対象の貯金のお届け印 | お届け印が違うと手続きできない |
| お届け印が関係しない手続き | 名義人の任意の印 | 暗証番号の誤回数消去請求は除く(お届け印が必要) |
| お届け印の変更(印章の変更)を頼む | 旧お届け印 | 旧お届け印をなくした場合は実印を押し、発行後6か月以内の印鑑登録証明書を提出 |
| 相続手続用の委任状 | 代表相続人等の実印 | 訂正するときは二重線で消し、その上に実印を押して正しい内容を書く |
どの手続きが「お届け印が関係する手続き」に当たるかは、公式の様式に一覧がありません。手続きの内容によって迷う場合は、名義人に書いてもらう前にゆうちょコールセンターか窓口で確認してください。
払戻しの金額と記号番号の書き方
代理人に貯金の払戻しを頼む場合は、「(額面)金額」の欄に金額を書きます。通常貯金は払い戻す金額、定額貯金・定期貯金などの定期性の貯金は払い戻す額面金額を書くのが公式の記載方法です。分割して払い戻せる貯金を一部だけ払い戻す場合は、分割払戻しをする分の元金を書きます。
「記号番号」の欄には、対象になる通常貯金・定額定期貯金・振替貯金・為替証書の記号番号を書きます。公式の記載例では「51560-87654321」のように、記号5桁と番号8桁をハイフンでつないで書いています。通帳式の定額・定期貯金と担保貯金の場合は、「証書番号等」の欄に証書番号も書きます。
送金用・相続手続用で違うところ
送金用と相続手続用は、書く欄が全般用と少し違います。
| 様式 | 全般用と違う主な欄 | 注意点 |
|---|---|---|
| 送金用 | 【通常払込み・電信払込み】は払込先記号番号と金額。【電信振替・他行送金】は受取人口座記号番号(他行あては金融機関名・支店名・預金種目・口座番号)、受取人カナ氏名、払出口座記号番号、依頼人カナ氏名、金額 | 金額は送金の料金(手数料)を含めない額を書く |
| 相続手続用 | 委任者・代理人ともにフリガナと日中の連絡先電話番号を書く。委任者の氏名の前に「被相続人の氏名および代表相続人」の文字などを書く。委任する内容は6項目から選ぶ | 押す印は実印。代表相続人の委任状が必要 |
相続手続用の「委任する内容」は、相続手続きに関する書類の提出、手続き完了後の書類等の受領、払戻金の受領、不備返却書類の受領、電話連絡、上記項目のすべて、の6項目です。どこまでを代理人に任せるかを決めてからチェックを付けます。
代理人が窓口に持っていくもの|金額と手続きで変わる
代理人が手続きするときに必要なものは、「委任状」「代理人の本人確認書類」「代理人の印鑑」の3点が基本です。これに、名義人本人が手続きする場合に必要な通帳・証書などを加えます。金額や手続きによっては、名義人本人の本人確認書類も求められます。
| 手続き | 代理人が持っていくもの | 名義人の本人確認書類 |
|---|---|---|
| 通常貯金の払戻し(100万円以下) | 委任状、名義人が手続きする場合に必要なもの(通帳など)、代理人の本人確認書類、代理人の印鑑 | 委任内容により求められることがある |
| 払戻しなど100万円を超える請求 | 委任状、名義人が手続きする場合に必要なもの(通帳・証書など)、代理人の本人確認書類、代理人の印鑑 | 必要 |
| 定額・定期貯金の満期の払戻し | 委任状(名義人が自筆・お届け印を押印)、満期を迎えた定額定期貯金証書、代理人の印鑑(お届け印と同じでも可)、代理人の本人確認書類 | 必要(公式FAQに明記) |
| 住所・氏名などの変更 | 委任状、代理人の本人確認書類、名義人本人が手続きする場合に必要な書類等 | 変更内容に応じて窓口で確認 |
| 通帳・カードの再発行請求 | 委任状、名義人が手続きする場合に必要なもの、代理人の本人確認書類、代理人の印鑑 | 委任内容により求められることがある |
| 相続の手続き | 相続手続用の委任状(代表相続人の実印)、担当部署から案内される必要書類 | 案内に従う |
委任状の様式の注意書きには、「委任内容により、委任者様の公的証明資料の提示および印章が必要となる場合があります」とあります。本人確認書類一覧のページにも、代理人が取引する場合は「名義人ご本人と代理人様双方の証明書類」が必要と書かれています。名義人の本人確認書類(原本)を預かれる状況なら、一緒に持っていくと二度手間を防げます。家族が代わりに住所変更などをする場合も、「お客さまのご家族・ご親族の方が手続きをとる場合も同様の扱い」と公式FAQに明記されていて、家族だからといって委任状が不要になるわけではありません。
50万円以上の払戻しは原則委任状・100万円超は名義人の本人確認書類も
「委任状はいくらから必要なのか」という点について、ゆうちょ銀行は「取引時確認等に関するお願い」のページで次のように案内しています。
| 金額・取引 | 代理人が手続きする場合 |
|---|---|
| 50万円以上の払戻しまたは貸付け等、印章の変更、暗証番号の照会、紛失・盗難による通帳等の再発行や証書払、ICキャッシュカードの発行申込 | 原則として委任状の提出が必要 |
| 50万円未満の払戻しまたは貸付け等 | 委任状の提出が必要となる場合がある |
| 100万円を超える請求 | 委任状・代理人の証明書類に加えて、名義人本人の証明書類も必要 |
50万円未満なら委任状がいらない、と言い切れるわけではありません。少額でも委任状を求められることがあると明記されているので、代理人が窓口で手続きするときは金額にかかわらず委任状を用意していくのが確実です。
代理人の本人確認書類は原本・有効期限内
代理人が提示する本人確認書類は、住所・氏名・生年月日が記載された公的書類の原本です。有効期限のあるものは有効期限内、有効期限のないものは発行後6か月以内のものに限られます。
| 区分 | 主な書類 | 補足 |
|---|---|---|
| 顔写真付きの公的書類 | 運転免許証、運転経歴証明書(2012年4月1日以降交付)、マイナンバーカード、パスポート、在留カード、療育手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳など | 2020年2月4日以降に申請したパスポートは住所欄がないため、現住所の分かる書類も必要 |
| 顔写真のない公的書類 | 資格確認書、国民年金手帳、児童扶養手当証書、母子健康手帳(母および子に限る)など | 追加で他の証明書類(公共料金の領収証書等を含む)の提示が必要 |
書類の住所が現住所と違う場合は、現住所の記載がある公的書類、国税・地方税の領収証書、公共料金の領収証書などもあわせて求められます。
窓口から名義人に電話で確認が入ることがある
委任状の様式と公式サイトには、「代理人様からご請求をお受けした際、お手続きを委任されたご本人様に電話で委任内容を確認させていただく場合があります」と書かれています。電話で確認できない場合は取り扱えない、とも明記されています。
代理人が窓口に行く日は、名義人が電話に出られる状態にしておくと手続きが止まりません。入院中などで電話に出にくい場合は、事前に窓口かゆうちょコールセンターに相談しておくと安心です。
本人が委任状を書けないとき|代筆はできない
委任状は名義人の自筆が前提なので、「本人が書けない」ときにどうするかは多くの方が迷うところです。ゆうちょ銀行の公式FAQと案内ページをもとに、状況別の方法をまとめました。
| 状況 | 方法 | 窓口に持っていくもの・相談先 |
|---|---|---|
| 名義人に判断能力はあるが、字を書くのが難しい | 家族の代筆ではなく、貯金窓口で相談する(公式に個別の案内はない) | ゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口、ゆうちょコールセンター |
| 認知症などで名義人の意思確認ができない(成年後見人等がいる) | 代理権のある成年後見人等が手続きする | 通帳、届出印、代理権を確認できる証明資料、成年後見人等の本人確認書類 |
| 認知症などで名義人の意思確認ができない(成年後見人等がいない) | 貯金窓口で相談する | お近くのゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口 |
| 名義人が亡くなった | 相続の手続き。代理人に頼むなら代表相続人が相続手続用の委任状を書く | 相続手続用の委任状(実印)と、担当部署から案内される必要書類 |
| 今後も家族がATMで引き出す必要がある(名義人が元気なうち) | 名義人が「代理人カード」を申し込んでおく | 通帳またはキャッシュカード、お届け印、本人確認書類で貯金窓口へ |
家族が代わりに書く(代筆)のは認められていない
「親の字が書けないので、子どもが代わりに書いてもバレないのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、ゆうちょ銀行は委任状について「手続きを委任する方がすべての欄を自筆でご記入およびご捺印ください」と繰り返し指定しています。定額・定期貯金の満期払戻しを代理人が行う場合のFAQでも、「委任状(名義人様がすべて自筆で記入し、お届け印を押印してください)」と明記されています。
さらに、代理人からの請求を受けた際には名義人本人に電話で委任内容を確認することがあり、確認できない場合は手続きできません。代筆した委任状で手続きを通そうとするのではなく、名義人本人が書けない理由を窓口に伝えて相談するのが正しい進め方です。ゆうちょ銀行のよくあるご質問でも、名義人が認知症などで委任状を書けない場合は「個々のお客さまの状況により取扱方法や必要書類等が異なりますので、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口にご相談ください」と案内されています。
認知症などで意思確認ができない場合は成年後見制度
名義人が認知症などで意思表示ができない場合、公式FAQは「成年後見人等の代理権を有した方がいる場合は、その方であれば払戻しができます」と回答しています。このとき持っていくのは、通帳・届出印のほか、代理権があることを確認できる証明資料と、成年後見人等本人の本人確認書類です。代理権のある人がいない場合は、貯金窓口で相談するよう案内されています。
成年後見制度を使い始めたら、ゆうちょ銀行への届け出が必要です。届け出に使う主な書類は次のとおりです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 成年後見制度を利用していることを証明する書類 | 成年後見制度に係る「登記事項証明書」(発行日から6か月以内)。登記完了前は家庭裁判所の審判書の銀行届出用抄本と確定証明書 |
| 成年後見人等の本人確認書類 | マイナンバーカード、運転免許証など |
| 通帳(証書)・印章 | すべての貯金通帳・証書等と、成年後見人等が今後の取引に使う印章 |
| 届出書等 | 「成年後見人等に関する届出書兼利用代理人等設定依頼書」と印鑑票(印鑑票は窓口に備え付け) |
届け出をすると、名義人本人のATMでのキャッシュサービスやゆうちょダイレクトは原則として廃止されます。キャッシュサービスについては、成年後見人が使える代理人カードを発行できます。なお、任意後見制度を使う場合は、家庭裁判所で任意後見監督人が選任された後に届け出ます。
名義人が亡くなった場合は相続手続用の委任状
名義人が亡くなった後の払戻しは、通常の委任状ではなく相続の手続きになります。公式FAQは「代理人でも相続の手続きは可能」としたうえで、相続の請求には代表相続人の委任状が必要と案内しています。使うのは相続手続用の委任状で、代表相続人等が実印を押します。記入方法は、担当部署から送られてくる「必要書類のご案内」に添付された記載例でも確認できます。相続の流れ全体はゆうちょ口座の解約方法の記事で、名義人が亡くなった場合の扱いとして解説しています。
家族が日常的に引き出すなら「代理人カード」を先に作っておく
入院や介護などで、家族が名義人の口座から生活費を引き出す場面が続く場合は、そのたびに委任状を用意するより、名義人が元気なうちに「代理人カード」を作っておく方法があります。ゆうちょ銀行では、1つの総合口座につき本人カードと代理人カードの2枚のキャッシュカードを発行できます。
代理人カードは、通帳またはキャッシュカード、お届け印、本人確認書類を持って貯金窓口で申し込みます。名義人以外が申し込みの手続きをする場合は委任状も必要です。代理人カードは1人の預金者につき1枚までで、ゆうちょPayの登録やゆうちょデビットへの切り替えには使えません。
ゆうちょ銀行・郵便局関連の記事はこちらから
ゆうちょ銀行、郵便局カテゴリ別にご紹介していきます。
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明細が見られるのは2か月まで。プラスなら20年に伸びますが、通帳に戻すと1,100円かかります。
手数料は無料。持ち物は通帳1冊だけで、名義人以外でも繰り越せます。ATMならデザインは選べません。
ATMは1日50万円まで。2026年8月17日から上限が変わり、一度下げると戻せません。
3回間違えるとロック。番号を忘れていても、アプリなら窓口に行かず再登録できます。
窓口は100枚まで無料、ATMは硬貨1枚でも110円。土日と店舗外ATMは硬貨自体が使えません
紛失センターに連絡後、アプリか窓口で申込。1,100円・約2週間で簡易書留。即日発行はできません
紛失センターに連絡後、アプリか窓口で申込。1冊1,100円・最大2週間で郵送。カードと同時でも別送
解約は貯金窓口のみでアプリ不可・手数料なし。印鑑や通帳がなくても解約でき、家族が代わるなら委任状
名義人がすべて自筆で書くのが条件で代筆は不可。電話確認もあり、50万円以上の払戻しは原則必要
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24時間営業は2021年に廃止。今は最長でも平日21時までです。できること8つを一覧に。
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違いは料金・厚さ・届け方・集荷の4点。どちらも補償なしで現金は送れません。出し方も解説
ゆうパックは170cm・25kg以内。郵便局・ローソン・集荷で送れる。持込120円引き、スマホ割180円引き
セブンで買えますが全店舗ではありません。100均なら1枚55円、通販ならさらに安く。
定形外は規格内140円〜・規格外260円〜。追跡・補償なし、土日祝の配達なし。ゆうパケットとの使い分けも
速達は封筒右上に赤線を引けばポスト投函OK。250gまで+300円。書留併用は窓口のみ
簡易書留は窓口のみ・基本料金+350円・補償5万円。ポストとコンビニは不可。土日祝も配達
赤字は封筒の左下。定形なら460円ですが、ポストには投函できません。
現金書留は窓口のみ・封筒21円・1万円まで590円・上限50万円。商品券や外貨は送れません
消印有効は締切日までの消印があればOK。ポストは最終取集時刻まで。レターパックには消印がない
2027年用は受付が12月20日から、元日に届く目安は27日に変更。15日・25日の古い情報に注意
ゆうちょの委任状のよくある質問
Q1. ゆうちょの委任状はいくらから必要ですか?
代理人が50万円以上の払戻しをする場合は、原則として委任状が必要です。50万円未満でも委任状の提出が必要になる場合があると公式に案内されているため、金額にかかわらず用意していくのが確実です。100万円を超える請求では、委任状と代理人の証明書類に加えて名義人本人の証明書類も必要です。
Q2. 委任状に有効期限はありますか?
公式サイトや委任状の様式には、有効期限の定めは書かれていません。様式には委任状を作成した日付を書く欄があります。頼みたい手続きが決まってから、なるべく窓口に行く直前に書いてもらうと、内容のずれや確認の手間を防げます。
Q3. 手書きで作った委任状(自作の委任状)でも使えますか?
公式サイトは「各種委任状は、下記のPDFファイルをご使用ください」と案内しています。自作の書式が受け付けられるかどうかは明記されていないため、公式サイトのPDFを印刷して使ってください。記入は手書き(名義人の自筆)が必要です。
Q4. 委任状に代理人の印鑑は押しますか?
委任状には代理人の印鑑を押す欄はありません。押すのは名義人の印(お届け印、または手続きにより任意の印・実印)です。ただし、代理人は窓口で自分の印章を求められるので、代理人の印鑑を持参してください。定額・定期貯金の満期払戻しでは、代理人の印章はお届け印と同じものでもよいとされています。
Q5. 同居の家族でも委任状は必要ですか?
必要です。公式FAQは、住所変更などを家族が行う場合について「お客さまのご家族・ご親族の方が手続きをとる場合も同様の扱いとなります」と明記しています。配偶者や子どもが手続きする場合も、名義人が自筆で書いた委任状と代理人の本人確認書類を用意してください。
Q6. 委任状があれば、ゆうちょ手続きアプリで代理人が手続きできますか?
できません。ゆうちょ手続きアプリは名義人本人からの申し込みだけを受け付けていて(子ども口座の開設と相続手続きの申し込みを除く)、アプリで代理人カードの暗証番号再登録や再発行をする場合も、名義人本人が手続きする必要があると案内されています。代理人が手続きする場合は、委任状を持って貯金窓口へ行きます。通帳・カードの再発行の流れはゆうちょ通帳の再発行、ゆうちょキャッシュカードの再発行の記事にまとめています。
Q7. 暗証番号のロック解除や照会を代理人に頼めますか?
頼めます。委任状の「委任する内容」には「暗証番号【照会・誤回数消去請求】」の項目があります。誤回数消去請求(ロックの解除)はお届け印が必要な手続きとして扱われるので、委任状にはお届け印を押してもらってください。暗証番号のロックの仕組みと解除方法はゆうちょの暗証番号ロックの記事で解説しています。
Q8. 委任状を書き間違えたらどうすればいいですか?
相続手続用の委任状は「訂正箇所を二重線で抹消し、その上に実印を押印のうえ、正しい内容をご記入ください」と訂正方法が明記されています。全般用と送金用には訂正方法の記載がないため、書き間違えた場合は新しい用紙に書き直してもらうのが確実です。内容に不備があると受け付けてもらえないことがあります。
Q9. 郵便局で郵便物を代わりに受け取るときも、この委任状を使いますか?
ゆうちょ銀行の委任状は、貯金などゆうちょ銀行の手続き用の様式です。郵便物や荷物の窓口での受け取りは日本郵便の手続きで、受取人本人が受け取る場合は本人確認書類、印鑑(ない場合は署名)、不在留置きならご不在連絡票が必要と案内されています。代理人が受け取る場合の扱いは、郵便物を保管している郵便局に確認してください。
まとめ
・委任状は公式サイト「委任状について」のPDFを印刷。全般用・送金用・相続手続用の3種類と記載例がある
・名義人がすべての欄を自筆で書いて押印。代理人の住所・名前の欄も名義人が書く。家族の代筆は不可
・「委任する内容」は具体的に。「一切の手続」のような書き方は確認が入り、手続きが止まることがある
・印は払戻しなどではお届け印、お届け印が関係しない手続きは任意の印、相続手続用は実印
・代理人の持ち物は委任状・代理人の本人確認書類・代理人の印鑑+通帳など。100万円を超える請求は名義人の本人確認書類も
・50万円以上の払戻しは原則委任状。窓口から名義人に電話で確認が入ることがある
・書けない場合は窓口で相談。認知症などは成年後見制度、亡くなった場合は相続手続用、今後も家族が引き出すなら代理人カード
委任状は、名義人本人が自筆で書いてはじめて使える書類です。家族の用事を代わりに済ませたいときは、まず頼みたい手続きを具体的に決め、名義人に書いてもらったうえで、電話確認に出られる日を選んで窓口へ行くと手続きがスムーズに進みます。
出典:ゆうちょ銀行「委任状について」(委任状・委任状(送金用)・委任状(相続手続用)・委任状の記載例・委任状(相続手続用)の記載例)「取引時確認等に関するお願い」「本人確認書類一覧」「成年後見制度に関するご案内」「ご利用における注意(ゆうちょ手続きアプリ)」およびよくあるご質問(住所・氏名等の変更を家族が行う場合・定額・定期貯金の満期手続きを代理人が行う場合・代理人による口座開設・認知症等で意思確認ができない場合の払戻し・認知症等で意思表示ができない場合の代理人・認知症などで委任状を書けない場合・代理人による相続の手続き・相続の委任状の記入方法・代理人カード・代理人カードとゆうちょデビット・代理人カードとゆうちょPay)、日本郵便「郵便物・荷物を郵便局の窓口で受け取る際に必要なもの」。いずれも2026年9月27日確認。手続きの内容や必要書類は変更されることがあります。最新の情報はゆうちょ銀行の公式サイトでご確認ください。






































